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米国債のデフォルト確率

米国債のデフォルト確率

  米国債(正確には米財務省証券)などの国債のデフォルトリスクが高まっているなどという指摘があります。それぞれの国の国債のCDSプレミアム(債務不履行などのクレジット・イベントが発生した際に保険金を受け取るために支払う保証料)が上昇しているということを受けてそのような指摘がなされるのでしょうけれども、現代の先進国に置いて「国債のデフォルト」という概念はナンセンスであるはずなのです。

  米財務省と中央銀行(発券銀行)であるFRBが、様々なところで連携しているのは既にご存知かと思います。次期財務長官に内定しているガイトナーNY連銀は元財務次官であり、また、国家経済会議の次期委員長に内定している(NEC)サマーズ元財務長官には、後々のFRB議長のポストが用意されているといわれています。これは、国債を発行する財務省と、通貨ドルの発券・流通に責任を持つFRBのトップがほとんど変わらないということで、国債の償還が困難になりそうな場合は、ドル紙幣の供給がほぼ間違いなく行われるということを意味するのです。

  対外債務不履行に陥った多くのケースは、国債を「自国通貨建て」ではなく「外貨建て」で発行しているケースであり、「自国通貨建て」の国債のデフォルトを看過するような中央銀行はまずないでしょう。

  このように、現時点では「米国債のCDS取引」という概念そのものがナンセンスだと感じるのは私だけではないと思います。ただし、実際にドル建ての米国債があとどれだけ発行・流通できるのかという問題も当然あります。これまでに発行された米国債の約6割が海外で流通しているのですが、ドルが減価する分、ドル建ての米国債の価値は減少するわけで、今後(政府・中銀も含む)海外投資家が「米国債離れ」を起こし、米国外での流通量が急激に減少し、米国債の需給調整が困難になることも予想されるのです。

  そんな中で、日本において、一部で「米国に対して“円建て米国債”の発行を要請すべきだ」という意見があります。“円建て米国債”であれば、日本の投資家は為替リスクを避けることが出来、また、ドル安・円高の進行を米国サイドから抑制する効果も期待できるのです。日本国債が海外でほとんど流通していない現状では、ドル建ての米国債を保有している日本サイドだけが、一方的にドル安・円高のリスクを負うような形になっており、その分ドル高・円安でリターンを得ることが出来るわけですが、こういう形はあまりよろしくないと思うのは私だけではないということでしょう。

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