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米国企業の成長を阻害する「3つの過剰」

  バブル崩壊後の日本企業・日本経済を苦しめていた要因として、「設備」「雇用」「債務」という「3つの過剰」が指摘されています。2005年頃には一時この「3つの過剰」は解消したかに見えましたが、最近になって再び「設備」「雇用」の過剰が指摘されており、「派遣切り」という形で、(過剰の解消が)問題になっていることは既にご存知ではないかと思います。

  この「設備」「雇用」「債務」という「3つの過剰」論が正しいかどうかはともかくとして、現在の米国企業はこれとはまったく別の「3つの過剰」があるのではないでしょうか。それは、「合理化」「経営者報酬」「配当」の3点であります。

  「合理化」の過剰は、労働組合の力が強く「負の遺産(レガシーコスト)」と呼ばれる退職者年金制度などが問題視されている自動車ビッグスリーなどでも見られるようです。もちろん、利益を上げる必要がある企業にとって徹底した合理化は必要不可欠であり、合理化が「過剰」になることなどないという見方もあるでしょう。しかし、車の運転において、ハンドルのあそびがないと運転がしづらいように、企業もガチガチに合理化を進めてしまうと、「有事」の際に上手く対応できなくなるのではないかという見方もあるのです。自動車ビッグスリーの今後が悲観されているのも、ガチガチに合理化を進めてきた結果、成長の源泉となる「あそび」の部分がほとんどなくなってしまったからだといえるのではないでしょうか。

  「経営者報酬」の過剰は今さら問題視するまでもありませんが、一般従業員の給与と経営者報酬の差が「25倍以上に開くと、従業員のモラル(士気)低下が見られる」といわれる中で、今や250倍以上にまで拡大しているといわれます。創業者で社長のジョブズ氏の報酬が「年間1ドル」というアップル社の業績が好調であるというのは、非常に示唆的な現象ではないでしょうは。

  「配当」の過剰というのは、少し分かりづらいかもしれませんが、これは要するに長期的な視点で見れば設備投資が必要な場合でも「四半期配当」として売上の一部を株主に還元しなければならないということです。株主がより多くの配当を求めていることが、長期的な企業経営・成長戦略を阻害している可能性は十分に考えられるのです。2002年までマイクロソフト社が配当を実施していなかったという事実が、何かを示唆しているように思えてなりません。

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